トラッドジャズ研究所

古いジャズに興味を持った管理人が、ミュージシャンや楽曲についてまとめているブログです。

Johnny Dodds - 低音&ブルージーなクラリネット

Johnny Dodds

Johnny Doddsのポートレイト

ジョニー・ドッズはジャズにおいて、最も影響力のあったクラリネットプレーヤーの一人と言われています。1892年にミシシッピ州ウェーブランドの音楽家の家庭に生まれ、ミュージシャンとしての才覚を磨きます。一説によると、彼の楽器の演奏スキルは弟のウォーレン・"ベイビー"・ドッズのために買い与えられたおもちゃのフルートによって育まれたとも言われています。

彼はシカゴに行き、オリヴァーズ・クレオール・ジャズ・バンド やルイ・アームストロングのホット・ファイブ、ホット・セブン、ジェリー・ロール・モートンのレッド・ホット・ペッパーズなど数多くの録音を残しています。

ジョニー・ドッズの奏法について

その低音とエモーショナルでブルージーなスタイルで知られます。そのスタイルは特にベニー・グッドマンに大きな影響を与えたと言われています。以下のPerdido Street Bluesの録音でも低いトーンを使ったソロが演奏的ですね。

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(2019年7月1日 初稿)

Ikey Robinson - 複雑でメロディアスなバンジョーソロ

演奏中のIkey Robinson

演奏中のIkey Robinson

アーキー・ロビンソンは1904年にヴァージニア州で生まれ、1922年にバンジョープレイヤーとしてのキャリアを歩み始めました。1926年にシカゴに活動拠点を移すとジェリー・ロール・モートンのバンドの一員として活躍しました。

1990年に亡くなる少し前の、1985年、彼が71歳のときの映像が残っています。この映像ではマンドリンのハワード・アームストロングと演奏していますが、最初は演奏スタイルが合わないということで、アーキーは会いたがらながったようですが、収録では二人は意気投合したようです。

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アーキー・ロビンソン作曲の曲

アーキーのバンド名義のA Minor StompやGot Butter on Itなどがあるようです。どちらも彼のソロプレイが光る録音ですね。

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アーキー・ロビンソンの奏法について

複雑でメロディアスな単弦弾きの奏法の名手として知られています。以下の録音はアーキーらしさが出ているバンジョーソロではないでしょうか。

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(2019年6月30日 初稿)

Joe "King" Oliver - ジャズコルネットの父

Joe King Oliver

King Oliverのポートレイト

キング・オリヴァーはジャズの歴史において、ジャズコルネット奏者として一番最初の重要なプレーヤーです。1885年5月にルイジアナ州アベンに生まれ、その後ニューオリンズに引っ越し、10代の頃よりニューオリンズのバンドでの演奏をしていました。1922年6月、彼が37歳のときシカゴでクレオール・ジャズ・バンドを結成し、1923年4月にGennet Recordsで初めてのレコーディングをしました。ルイ・アームストロングコルネットを与え、指導したことも有名で、ルイは彼のことを「パパ・ジョー」と呼んで慕っていたようです。

キング・オリヴァー作曲の有名曲

Canal Street Blues、Dippermouth Blues、Doctor Jazzなど現代でも演奏される有名曲を数多く残しています。

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Dippermouthというのは、ルイ・アームストロングの当時のあだ名だったことから、実はルイが本当の作曲者だったのではないか、という説もあるそうです。Dippermouthというのは、「大きな口」という意味らしいです。

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Doctor Jazzは1926年の作曲。1975年には同名のブロードウェイ・ミュージカルが公演されていました。動画はこちら、Dr Jazz。人々の心に残る名曲であることが伺われますね。

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キング・オリヴァーの奏法について

プランジャーや帽子などを用いたミュート奏法の先駆者として知られています。Wa Wa Waという曲が非常に有名で、このテクニックのことをワウワウと呼ぶようになったとも言われています。キング・オリヴァー自身の映像はなさそうですが、こちらの動画("WA WA WA": KEITH NICHOLS RECALLS KING OLIVER at WHITLEY BAY 2012))で同曲でプランジャーを使っている演奏を見ることができます。

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(2019年6月30日 初稿)